若手後継者が、家業が持つ、有形無形の経営資源を最大限に活用し、リスクや障壁に果敢に立ち向かいながら、
新規事業、業態転換、新市場開拓など、新たな領域に挑戦することで社会に新たな価値を生み出すこと。
ゼロから立ち上げる起業家でもなく 親と同じスタイルで家業を継ぐ後継者でもない。
いわば「ハイブリッド型ベンチャー」です。
アトツギベンチャー応援プロジェクトでは、 ベンチャー型事業承継に関心がある若い世代に向けて、
先進事例やイベント情報を発信していきます。
家 業 | × | = | 新規事業 業態転換 新市場参入 |
- 異業種、他分野のノウハウ
- 海外、インバウンド、未開拓市場
- IoT、ロボット技術などのテクノロジー
- 興味があること、得意なこと
(出典)山野千枝「ベンチャー型事業承継のススメ」より抜粋
ベンチャー型事業承継例
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【事例01】
株式会社 大都
代表取締役山田 岳人
工具卸から100%業態転換、DIY市場をけん引
大学卒業後はリクルートに就職。妻の祖父が1937年に創業した工具卸を継承。
一時は廃業を覚悟するほどの危機に陥るが、当時まだ珍しかった工具のネット販売に着手。
「先代から引き継いだ最大の資源は仕入れ先のネットワーク」として、日本最大級のアイテム数を誇るネットのホームセンター事業へと業態転換を図る。その後、DIY市場を日本に定着させるための新規事業を次々に開始。精力的に事業を展開するも、創業の地、寺田町にこだわる。
優秀な人材を確保するためのユニークな採用戦略や風土も特徴。 -
【事例02】
平安伸銅工業株式会社
代表取締役竹内 香予子
突っ張り棒メーカー三代目跡取り娘が挑むIoT家電
突っ張り棒の専業メーカー。1952年に祖父が創業。三人姉妹の末っ子。
家業を継ぐ気は全くなく、大学卒業後は新聞記者に。結婚を機に「跡取り娘」として家業に入社、2015年、社長に就任。収納アイデアを集めたウェブメディア「cataso(カタソ)」をはじめ、突っ張り棒の特性を活かしたDIY家具の自社ブランド「LABRIKO(ラブリコ)」を次々にローンチ。
最近では、突っ張り棒の空洞とセンサー技術を組み合わせてIoT家電の開発にも着手するなど、専業メーカーとして培った自社の強みを徹底的に活かした事業戦略を展開中。 -
【事例03】
株式会社 ナンガ
代表取締役社長横田 智之
布団の産地で生まれたJAPANクオリティ、世界を目指す
創業1941年、滋賀県米原市で寝具メーカーの下請けとして布団の縫製業を創業。
その後の父の代では、価格競争と大手メーカーの生産拠点が海外に移転したため寝袋メーカーへと業態を転換した。三代目を受け継いだ横田氏は高い技術を活かしてアパレル業界に進出。
現在は主力の羽毛寝袋をはじめ、ダウンジャケットなどの衣料品、他社ブランド製品やコラボレーション商品なども展開。品質維持のために国内生産にこだわっており、永久保証などユニークなサービスで注目を集める。
近畿経済産業局は、29年2月に発表した政策提言で、全国で初めて、
中小企業の若手後継者をベンチャー政策の主要な対象として策定しました。